2011年7月の地上デジタル放送への完全移行を控え、カーナビゲーション各社が新たな需要を
取り込む戦略を打ち出している。三洋電機は地デジ型への買い替え層をターゲットにした新機種を
今秋にも投入する予定で、パイオニアも今年発売モデルの全機種を地デジ対応にした。
カーナビの地デジ移行は消費者にも「盲点」となっているのが現状。各社は年末商戦で買い替え需要の
大きな波が来るとみて、“地デジ特需”に向けた準備を進めている。
■「シェア5割死守」
三洋電機は09年のカーナビ国内市場でメーカー別シェアの約3割を握り、トップに立っている。
原動力は、取り外しのできる携帯型カーナビ分野では5割のシェアを持つ「ゴリラ」。
今秋発売する新製品ラインアップでは地デジ対応への「買い替え支援」をうたい文句に掲げる方向で
調整しており、「地デジ戦略で5割のシェアを当面は死守したい」とする。
地デジ移行は総務省や電機メーカーの呼びかけで薄型テレビでの認知度は高まっているが、
「(テレビ視聴が可能な)カーナビも切り替えが必要なことはあまり知られていない」(三洋)。
三洋はオートバックスなどカー用品店と協力し、切り替えに向けた啓発活動も展開していく。
カーナビの国内出荷台数は09年6月以来、14カ月連続で前年同期比プラスを維持して伸びている。
エコカー補助金など国の施策が需要を後押ししたが、今後は地デジ移行をにらんだ買い替えで
「市場がまだ伸びる可能性は十分にある」(パイオニアのカー市販事業部)とみられ、商戦も
過熱しつつある。
■鍵握る価格設定
国内シェア2位のパイオニアは、5月に発売した全9機種の全モデルを地デジ対応とした。
同社は車のダッシュボードに組み込む据え付け型では国内トップで、得意とする高級価格帯の
カーナビでのシェアアップを狙う。今後、自社のホームページを通じて地デジ買い替えをアピール
する考えだ。
トヨタ自動車向けの純正品を中心とする富士通テンは「廉価の地デジ対応チューナーの販売も
検討している」。同社は「地デジ移行での買い替え需要は大きい」とみており、市販カーナビの
国内シェアを20%に引き上げることを目指す。
パナソニックは4年前、他社に先駆けて地デジチューナーを標準装備したカーナビを発売。
さらに08年度には全モデルを地デジ対応に切り替えており、需要取り込みに向けて先行メリットを
生かす構えだ。
ただ、国のエコカー補助金制度が9月末で終了することから、据え置き型を中心に販売の落ち込みも
懸念されている。需要の取り込みには買い替えに踏み切りやすい価格設定に加え、機能面での充実も
必要となりそうだ。
ごみの中に312万円…愛知のリサイクル工場
19日午前11時頃、愛知県豊川市南千両のリサイクル会社「加山興業」豊川工場で、男性作業員がごみの中から現金を発見し、豊川市役所に連絡した。
現金312万円と破れた紙幣数十点で、市職員が豊川署に届け出た。
同署の発表によると、工場は同市から新聞紙などのごみの委託処分を受け、市内の家庭から収集したごみをリサイクル処理している。
拾得物として同署が持ち主を捜している。
猛暑が続いている。冷たい飲み物でのどを潤す機会も多いはず。暑さのおかげで
ビール系飲料の出荷も好調だ。飲み物の出荷が増えれば、入れ物であるアルミ
ニウム缶やスチール缶の出荷も増える。使われた缶は回収され、再利用されるが、
その循環にも景気動向が大きな影響を与えている。
■09年度のアルミ缶リサイクル率、過去最高に
93.4%。アルミ缶メーカーなどで構成するアルミ缶リサイクル協会(東京・港)が
公表した、2009年度の飲料用アルミ缶のリサイクル率だ。リサイクル率とは、
消費されたアルミ缶のうち、再生利用された割合のこと。前年度の87.3%と比べて
6.1ポイント上昇、過去最高となった。アルミ缶が「リサイクルの優等生」(アルミ
缶リサイクル協会の内田収・事務局部長)と呼ばれるのもうなずける。スチール缶
のリサイクル率も高い。08年度は88.5%と前年比3.4ポイント上昇した。
アルミ缶のリサイクルの仕組みはこうだ。一般家庭から出るアルミ缶は自治体や
町内会などが回収、問屋などの業者が引き取り、缶メーカーなど利用者に渡される。
自動販売機やオフィスから出るアルミ缶は、専門の業者が回収、問屋などが引き取り、
利用者に渡る。スチール缶は家庭から出る缶、自販機から出る缶ともに自治体と
民間業者が集めて、鉄スクラップ処理業者や保管業者に渡り、製鉄会社にたどり着く。
アルミ、スチールともに工程のなかでスクラップにされる。
■中国への輸出増でスクラップ不足に
アルミ缶のリサイクル率が前年と比べて上がったのは、需要が回復したからだ。
アルミ缶は自動車部品や缶材、鉄の酸化を防ぐ脱酸材などとして使われる。リーマン
・ショック後、生産の回復が早かった業種のひとつが自動車だった。自動車向けの
需要が増加、原料として使われるアルミ缶の在庫整理が進展したことが大きい。
もうひとつの要因は世界的にスクラップの発生自体が減ったことだ。スクラップは
缶のほか、鋳物工場や建築現場、印刷工場などから出る。ところが、これらの業種の
生産回復は遅れスクラップも出づらい状況だった。もともと少ないところに、深刻な
スクラップ不足に陥った。そのなかでも高値で買い取ってくれる中国への輸出が増えた。
アルミスクラップ取引価格は需要動向と似た動きをする。09年1月を100として
指数化したグラフをみると、10年4月までは上昇していたが、それ以降は調整局面に
ある。地金価格との連動性が強く、アルミ地金安による下落という側面もあるが、
理由はそれだけではない。このころから建設需要などに不透明感が出始め、鉄鋼
メーカーが減産を迫られた。この影響を大きく受けたのがアルミ缶スクラップ。
自動車エンジンなどからつくられ自動車部品などとして再利用される「アルミキカイ」
と呼ばれるスクラップなどより下落率が大きい。
■素材転換簡単ではない飲料メーカー
鉄スクラップとして鉄鋼原料となるスチール缶も同様だ。取引量が多く指標となって
いるH2の価格とほぼ連動して動く。「スチール缶スクラップがH2より高くなる
こともある」(スチール缶リサイクル協会の酒巻弘三・専務理事)が、1トン2000
〜9000円程度、H2が高いのが通例だという。
京都大やオムロン、ローム、大和ハウス工業などの産学グループが、
家電の電力消費量をテレビ画面に表示し、エコ意識の向上を促す
“省エネ住宅”を下京区内のマンション一室に完成させ、25日、
報道陣に公開した。実用化に向けて、さらに研究を続ける予定。
京大大学院情報学研究科の松山隆司教授は「苦にならず、ゲーム感覚で
省エネに取り組めるようになれば」としている。
グループは、電流の波形からエアコンや冷蔵庫など家電の種類を
見分けることができる特殊なコンセント(スマートタップ)を開発。
家電ごとの電力使用量の情報がコンセントから無線通信され、テレビ
画面(モニター)に、部屋の見取り図とともに表示。エアコン、冷蔵庫、
テレビ、電灯などが、どれぐらいの電力を消費しているかが一目で分かる。
現在は実証実験として、1LDK(33平方メートル)に50個の
コンセントを設置。テレビに接続したゲーム機のリモコンでは、
テレビの明るさを調節したり、別室の照明を消したりもできる。
実際に夫婦で暮らしている京大の加藤丈和・特定研究員は「エネルギー
消費の『見える化』で、こまめにエアコンの温度設定が変えられる。
楽しんでエコ生活が実践できています」と話した。
直嶋正行経済産業相は31日の閣議後の記者会見で、12月末に期限を迎える家電の
エコポイント制度について、対象製品を絞り込んだうえで来年3月まで延長する考えを
明らかにした。
直嶋経産相は「円高進行により、年明け以降の景気に不透明感が出てきた」と、
延長の理由を説明。期限終了による販売の急減を避けるための措置と強調した。
家電エコポイントの延長は、30日に決めた政府の経済対策基本方針に
盛り込まれている。財源には「経済危機対応・地域活性化予備費」の残りの
約9200億円をあてる。
ただ、家電エコポイントの延長には需要の先食いや効果が一巡しているなどとして
経産省内でも意見が分かれている。
直嶋経産相も「景気対策としての時限措置。無期限に続けられるものではない」と
述べるなどあくまで、短期間の延長にとどめる方針だ。
家電エコポイント制度は省エネ基準を満たした地上デジタル対応テレビや
エアコンなどを買うとポイントがもらえる仕組みで、昨年5月にスタート。
平成21年度補正予算で今年12月末までの延長が決まっていた。
政府のエコカー補助金制度の残り予算がわずかになり、当初予定していた9月末を待たずに、
9月20日過ぎに終了となる可能性が高まった。
制度終了前の駆け込み申請が殺到し、予算の消化ペースが当初見通しよりも
早くなっているためだ。
次世代自動車振興センターが27日発表した残り予算は26日現在で593億円となり、
予算総額5837億円の9割を消化した。
直近5営業日の平均では、毎日約2万5000台、約33億円分の補助金申請を
受理している。ある大手自動車メーカーは「8月の新車販売台数は前年同月比で
約6割増となっている」という。
販売店で新車を購入した場合、運輸支局に車両登録し、さらに同センターに補助金を
申請する手続きが必要になる。このため、ここ数日中に在庫車を購入した場合でも、
補助金が間に合うかどうか微妙になってきそうだ。